戦士のポーズⅠの現代的なバージョン

バリエーションには、スタンスの位置や幅、腕と頭の位置、前足の膝の角度、後ろ足の回転度、腰と肩の関係などが挙げられる。

「前足の太腿が床と平行になるくらい広いスタンスをとれば、足を強化することができます」と彼は説明する。

「もしスタンスを狭くし、腕を床と平行に保ち、肩甲骨をお互いに引き寄せると胸椎後湾(背中上部の過度の湾曲)を矯正するのに役立ちます。前足の上に同じ側の腕を休ませ、胸を上前方に突き出し、もう一方の腕を引き上げることによって、腸腰筋がストレッチされます」

戦士のポーズⅠの現代的なバージョンは、古代インドの武術のスタンスが基本となっているとクラフトソーは説明する。
「戦場にあってもエネルギーを浪費することなく、前進と後退ができます」と彼は言う。

「このポーズはスタンスが広いため、前後へのステップが容易になります。重心は低く、よって体は安定して足は地面にしっかり根付いている。勇気の象徴として胸は開き、視線は戦場のはるか前方をしっかり見据えているのです」

アーサナの大ヒット

アメリカのヴィニヨガ・インスティチュートの創立者であるゲイリー・クラフトソーは、戦士のポーズⅠをアーサナの大ヒットと考えている。
「万人にとって核となる10~15のポーズがあるとすると、これはそのうちのひとつです」と彼は言う。

「足と背中を強化し、背骨を正しい位置に戻し、腰筋をストレッチし、骨盤を開き、股関節を安定させ、呼吸を深めてくれます。自身と勇気をもたらす象徴と見なすこともできます。その意義を理解しているなら、効果はさらに高まるでしょう」

クラフトソーは、このポーズをT・K・V・デシカチャールから学び、デシカチャールは父のクリシュナマチャリアから学んだ。
ヴィニヨガのッ伝統では、アーサナは主に治療的に利用され、一対一で教えられるため、先生は生徒によってポーズを変えていく。

「戦士のポーズⅠには何が正しく、何が正しくないということはありません。実際、このポーズを練習する人の数だけバリエーションはあるのです」とクラフトソーは言う。
「それによって、体の様々な機能的な潜在力を引き出すのです」

ヴィニヨガのポーズ

マット後方にタダーサナ(山のポーズ)で立つ。
両足は肩幅のまま、右足を一歩前に踏み出して、前後に容易に体重移動ができるようなスタンスをとる。

息を吸うと同時に右膝を曲げて、肩を後ろに引き、腕を頭上に持ち上げ、指を組んで手のひらを反して天井に向ける。
そのとき上腕部が耳に沿うようにする。

胸をやや前方に押し出し(胸が腰より前に出る)、上背部にアーチを描く。
胸骨はへそから引き離すように持ち上げる。
重心を固定し、両足を同等に床に押し付けながら、あごは水平のまま前を見つめる。

息を吐きながら腕を下ろし、右足をまっすぐに伸ばしてスタート地点に戻る。
次の吸う息で右足を曲げて再びポーズに入り、呼吸を2秒間保持する。
呼吸をしながら、さらに5回ポーズを続けたら、踏み出す足を替えて同じように繰り返す。

練習する人の数だけバリエーションがあり、体の様々な機能的な潜在力を引き出す。