アイアンガーヨガを代表するポーズ

このポーズには数多くのアクションがあり、アプトの指導は綿密を極める。
上半身のツイストは、背中の後ろ中央の肋骨部分から始まると彼女は言う。

背面はせり上がって前面に向かって押し出される。
腹部は引き上げられるが、お尻は下方に動く。
尾骨と肩甲骨は前方へ動くが、腰椎を圧縮しないように注意する。

後ろ足の外側はしっかり床に押し付ける。
両腕は剣のようにシャープに。
頭は神に勝利の捧げものを供するように見上げる。

さらに、このポーズは後屈への入り口にもなる。
「このアーサナの実習を通じて、後屈時に腰背部を圧迫しない為に必要なすべてのアクションを学べます」とアプトは言う。
「戦士のポーズⅠによって、尾骨を前に動かし、胴体を下半身から持ち上げることができるのです。同時に、頭を後ろに安全に傾け、肩甲骨を前方の胸部へと突き出し、腕を力強く伸ばすのです」。

これらはまさに、逆転のポーズ、ツイスト、前屈のポーズだけではなく、ウルドゥヴァ・ダニュラーサナ(上向きの弓のポーズ)のような難度の高い後屈を行う時にも必要なアクションとなる、とアプトは指摘する。

このポーズでは、どこか体の一点に集中することはない。
「体の両サイド、つまり左と右はまったく違う動きをするのです」とアプトは言う。
「このポーズはとても洗練されていて、アイアンガーヨガを代表するものです。どこか一点にフォーカスするのではなく、あらゆるところに意識を広げるのです」

アメリカンヨガの黄金律

戦士の物語は古代のものでも、アーサナはほぼ近代の発明と考えられる。
「戦士のポーズは、アーサナの古典文献には載っていません」とリチャード・ローゼンは指摘する。
「出自は定かではありませんが、おそらくは約70年前にT・クリシュナマチャリア師によって考案されたのでしょう。つまり20世紀のポーズであり、アーサナの進化の一部と考えられます」。

また、このポーズの普及は、クリシュナマチャリア師の生徒で義理の弟のB・K・S・アイアンガー師の功績であり、その概念と緻密なアラインメントは、アメリカンヨガの黄金律ともいわれる。

アイアンガー式の練習は、霊感と実践の間の適切なバランスを見つけることを意味する。
「アイアンガー師のポーズを見ると分かりますが、激しいポーズにもかかわらず、完璧に調和がとれています」とロサンジェルスのアイアンガーヨガ・インスティチュートの認定指導者であるマーラ・アプトは語る。
「私たちが求めるのは攻撃的ではない戦士のエネルギーです。私たちの心はポーズのアクションの中に溶け込んでいるのです」

アイアンガーヨガのポーズ

タダーサナ(山のポーズ)からジャンプして足を大きく開き、手はTの字をつくるように両サイドに広げる。
足はちょうど手の下に着地する。
上腕部を外に回し、手のひらを上に向け、両手を頭上に持ち上げる。
胸を引き上げる為に肩甲骨を前に押し出しながら、上半身の両脇を指に向けて引き上げる。

もし腕をまっすぐに伸ばせるなら、頭上で手のひらを合わせる。

右足を外へ90度回す。
左の脚は内側に向ける。
息を吐いて、腰と胴体を回して右足に向ける。
右足を90度に曲げて足首の真上にくるようにする。
左足のかかとの後ろ端を床に押し付け、左足はまっすぐに伸ばす。

右太ももを床と平行にする時、太ももを内側に回転させて太ももの外側を前に回す。
右大腿骨を下ろして、骨盤全面と腹部を胸に向けて持ち上げる。
左の肋骨から左脇腹を前に向ける。
胸郭の側面、脇の下、胸骨を持ち上げ、天井を仰ぎ見る。

このポーズでは、どこか1点にフォーカスするのではなく、あらゆるところに意識を広げるのです。